FXの利益確定は、リスクリワードで決めています。リスクリワードは損失と利益の割合を表し、具体的には損切り(ストップロス)と利益確定(テイクプロフィット)の設定幅です。
最初に1:1で一部を利食いして、1:2で残りのポジションを全決済しています。例えば損切りで1万円のリスクを取るなら、利益の期待値は最初に1万円・最終的に2万円になります。
利益確定のやり方
- リスクリワード1:1で一部を利食い
- 損切りラインをブレイクイーブン(損失分岐点)に移動
- 1:2で残りのポジションを全決済
私は1:1で半分を利確して、同時に損失が出ないようにストップロスを繰り上げます。こうすることで、安心して1:2のラインまで待てるからです。
スキャルピングやデイトレードは、保有期間が短いので1:1以下で全決済することもあります。ですが基本的にリスクリワードは、1:2以上が機能しやすいと判断しています。
(参考)スキャルピング向きの海外FX業者
理由は利益を生むよりも、損失を出したくない心理が働くからです(プロスペクト理論)。
FXでプロスペクト理論を克服するために
プロスペクト理論は行動経済学のひとつです。ノーベル経済学賞を受賞した、ダニエル・カールマン博士らが提唱しました。
投資などの不確実なリスクを伴う場面で、人は収益よりも損失に敏感に反応しやすいというものです。
トレーダーに起こりやすい心理
- 利益が出たら、早めに確定させたい
- 損失が出たら、次は取り返したい
利益が出たらすぐ利確することは、毎回勝つという点で有効です。しかしトレンドが発生しているときは、大きく稼ぐチャンスを失うことにもなります。
そのためトレードの論理的な指標として、リスクリワードを使っています。1:1だと損失に気が傾きやすいので、1:2以上にしてメンタルも自然にカバーする方が良いと判断しました。
リスクリワード値はATRを使用
リスクリワードの設定値は、ATR(Average True Range)を使っています。相場変動を表す数値として多くのトレーダーが活用し、私自身も非常に機能すると感じているからです。
具体的には2ATRという値を使います、2014年から稼いでいるインジケーター「プライス・ストラクチャーFX」では、値がチャート上に表示されるので重宝しています。
(2ATRの画面表示)
Stop LossとTarget-1の値が1:1(2ATR)で、Target-2が1:2(4ATR)です。
ATRについては、こちらの損切り記事を参考ください。
(参考)損切りのルールとタイミング
まとめ
私は損切りに加えて、利益確定も苦手でした。「もっと利益が増えるかも知れない」と毎回頭をよぎるからです。
そしてしばらくするとプルバック(反転)が起こり、みるみる利益が減り焦って利食いしていました。ひどいときは待ちすぎて、逆に損を出して後悔することもありました。
リスクリワードを設定してからは明確な目標値ができたので、ロジカルにトレードできる場面が増えました(欲深さが減ったとも感じます)。
そして無理に1:1にこだわらず、急上昇(急下降)ですぐプルバックが起こりそうな局面は早めに利食いもできるようになりました。
自分なりのルール(目安値)を持つと、エントリーポイント(注文)に確信が持てます。確信によって余裕が生まれ、感情に流されにくくなります。
リスクリワードは自分のスタイルに合わせて、割合を変えられることがメリットです。ひとつの指標として取り入れてみてください。