FX会社はトレーダーから預かった資金を守るために、分別管理(信託保全)をしています。分別管理と信託保全はどちらも財産保護の仕組みで、法律と免許が違います。
分別管理は金融機関(主に証券会社)で義務化されている制度(金融商品取引法第43条の2)で、運営資金とは別の銀行口座で顧客の資金を管理します。ただしFXに関わる資産については、法律上は対象外です。
信託とは信用する相手に財産を移転し、管理してもらう制度です。信託業の免許を持った銀行や会社に依頼することを、信託保全といいます。
資金は信託先の銀行名義で、銀行の財産とは別に管理されます。そのためFX会社が破産しても、原則差し押さえ対象になりません(信託法第23条)。代理人(弁護士)を通じて、トレーダーに返還されます。
元々は国内のFX業者も分別管理をしていましたが、現在は信託保全が義務付けられています。
(金融庁)信託保全の義務化について
海外のFX業者は日本法律の対象外なので、信託保全は任意です。またライセンス取得国に信託制度がないことも多く、分別管理が主流です。
格付けが高いメガバンクに保管したり、監査法人を入れて毎年国の管理局に報告するなど信用創造に努めています。
証拠金などの補償範囲と上限額
基本的な補償範囲は口座残高で、未決済ポジションは業者や状況によります。
補償対象の種類
- 預けた証拠金
- 獲得した利益
- 未決済の評価益とスワップポイントなど
海外FXでは全額保証(上限なし)が基本です。ただし上限額を設定(数百万単位)したり、入金額のみを対象にする会社もあります。
またあくまで法律上の原則なので、裁判などの結果によって内容が変わる可能性もあります。
保管先の銀行は、安全保護の観点から非公開の会社もあります。公開されている銀行は、業者と合わせてシェアします。
信託保全の海外FX業者
(GemForexのカスタマーと、チャットで信託制度確認のやりとり)
信託保全をしている業者です。業者名のリンクから、公式ページを確認できます。
信託保全の業者
- GemForex(ゲムフォレックス)
日本人が設立。スプレッド最小&自動売買無料
銀行は非公開
参考:GemForexの評判 - Tradeview(トレードビュー)
取引制限なし!スキャルピングや両建ても自由
外部委託の資金管理機関
参考:Tradeviewの評判
口座は会社ごとに複数持てます。どちらも海外FXの話をしているとよく出てくるので、人気でおすすめです。
世界初!エスクローで入金額を保証するDeal FX
Deal FX(ディールFX)は、現在日本へのサービスを停止中です。
Deal FX(ディールFX)は、世界初でエスクローによる入金保証制度を導入しました。より速く、透明性の高い仕組みです。
エスクローは売買契約の間に「中立の第三者」を入れて、決済の安全性を確保する仕組みです。アメリカの不動産取引から始まり、今はオンライン決済まで幅広く利用されています。
その特徴から、取引保全や第三者預託とも呼ばれます。また第三者が信託業者(銀行や会社)であれば、信託になります。
今回の第三者は、世界200ヶ国以上で使える便利な決済サービス・bitwallet(ビットウォレット)です。Deal FXから払い戻しが受けられない場合、bitwalletが補償します。
自分のbitwallet口座からDeal FXの口座へ資金を移すと、最初はデータだけ伝達されます。取引が終わり出金して初めて、Deal FXに資金が移動するため分別管理は不要です!
Deal FXは同じく世界初で、bitwalletと連動してリアルタイムな入出金を可能にしました。
分別管理の海外FX業者
分別管理の業者と、公開されている保管先銀行の一覧です。
分別管理の業者と保管銀行
- Titan FX(タイタンFX)
ナショナルオーストラリア銀行(NAB) - AXIORY(アキシオリー)
ドーハ銀行 - Tradeview(トレードビュー)
ロイズ銀行 - FX Giants(FXジャイアンツ)
バークレイ銀行 - Land Prime(旧LAND-FX)
バンクオブアメリカ(Bank of America) - Traders Trust(トレーダーズトラスト)
ヘレニック銀行、BNPパリバ銀行、スイスクオーツ - IFC Markets
UBSやドイツ銀行(Deutsche Bank) - VirtueForex(ヴァーチュフォレックス)
ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB) - Anzo capital(アンゾーキャピタル)
リサール商業銀行(RCBC)
次に保管銀行を、非公開の業者です。
保管先銀行を非公開の業者
- XMTrading(エックスエム)
- Exness(エクスネス)
- easyMarkets(イージーマーケット)
- iFOREX(アイフォレックス)
- FxPro
- FBS
- ironFX(アイアンFX)
- IS6FX
- HFM(HotForex)
- FXGT
- Bitterz(ビッターズ)
- 参考:海外FX会社の一覧
カスタマーに確認できた会社は、随時追記します。
まとめ
国内であればFX会社に信託保全が義務付けられているので、分別管理より安全な印象を持つかも知れません。
ですが世界的に見れば、信託制度は国によります。実際に海外のFX会社は分別管理がスタンダードです。
信託保全は法律上、原則差し押さえされない安心感は確かにあります。ですが分別管理も銀行選びと監査法人の導入によって、信頼に足る対応はしています。
資金管理は、あくまで「破綻したら」の話です。
手続きやサポートなどの日頃の対応が問題なければ、過度に心配する必要はないと思います。